CK-046 灰釉鴟きょう形容器
時代:漢時代  、 サイズ: 高 28.5cm × 横 21.5cm× 奥行 23cm
価格: \

鴟きょうとはフクロウやミミズクの類を指す。フクロウには普通「悪」あるいは「凶」の意味があるとされる。フクロウの類は夜行性で暗闇で目が聞くと共に耳が聡く、肉食で性格が猛々しいからであろう。しかし逆にこの猛禽の力を得れば悪を征し得るという観念が発生した。漢代にはフクロウ形の容器が墓に納められており、又フクロウが他の瑞獣と共に棺に描かれ墓セン・画像石にも表され死者を守ると考えられたのであろう。
鴟きょう形の銅器は殷墟婦好墓の大型鴟きょう尊を初めとして商代後期に見られる。しかし西周時代以降は例がなくなり、前漢時代になると陶製鴟きょう形容器が再び現れる。フクロウについての観念の変化を反映していると考えられる。胴はほぼ球形、前足と大きく広がった尾羽で支えられ左右には獣環が貼花、体表面は荒々しく羽毛を線刻する。頭は突出て大きな半眼球を貼花、頭毛を線刻する落し蓋。灰釉が流れ幾筋もの溜釉を作って美しい作品としている。獣環も辟邪の神の顔を意味している。
先秦時代から漢代に掛けて流行した六博(参照:DK-130)においてはフクロウを大勝と称し貴び、或いは又雄なるものといわれていた。類品が市場に発表された最初は、2005年ニューヨークサザビーズ$21,600(約250万)で落札された。

参考本
参照 : CK-013GK-443GK-407









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