CC-680 青磁管耳瓶
時代: 南宋時代 、サイズ:高さ 21cm×胴径 12.5cm×奥行 9.5cm
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哥窯。
哥窯は宋時代、章生一・生二兄弟のうち弟は龍泉窯を創設し、兄が興した窯は兄の意である哥窯と呼ばれたとする伝説がある。哥窯磁の「開片」技法は故意にヒビ割れを作る”瑕疵の美”とまでいわれ、宋代の磁器芸術中でも極めて重宝された。「開片」というのは釉面の亀裂のことで、釉の中に特殊な添加剤を入れてつくる。最上品は”金糸鉄線”だ。まず焼成した製品を窯中で冷却すると大きな亀裂が表面にできる。そのヒビの中に褐色の紫金土をすり込んで暗色の”鉄線”をつくる。窯から取り出したのち、磁器の表面になおも細かいヒビが現われ、黄金色の”金糸”となる。磁器全体が”金糸鉄線”につつまれるのが哥窯の独特な風格となっている。
頸に管耳を付した扁平な壺の形は古代青銅器の「壺」を倣ったもの。哥窯も宋代名窯の一つだが、全体像は謎である。窯址もまだ発見されていない。

釉の色は灰青色か灰白色(米色)で、くっきりとした貫入が特徴。元代や明代に大変人気があり、文人が思索する時などにそばに置かれたという。本品は単色釉の静謐さに金糸鉄線のネットワークの様な貫入が変化に富んだ表情を与えている。二つの耳と弦文だけの文様を控え用を配慮した器形は、龍泉窯の鳳凰耳花生・筍形花生や官窯の管耳瓶に共通するもの。文飾よりは器形と釉質を尊重した宋時代の作風をこの瓶にも見ることができる。圏足の貫孔から古銅器の影響(貫孔は官窯系の青磁にしばしばみられる)。重厚な器形と落ち着きのある釉色とが相まって独特な威厳と風格が感じられる。祭器、あるいは晴れの儀式のための室内装飾。
胎土は醤褐色。そのため口縁も褐色を呈している。我国には歴史的に官窯作品は数々請来されているが、哥窯作品はほとんど見られない(大阪市立東洋陶磁美術館の青磁管耳瓶が知られる程度)。伝世品の哥窯について様々なタイプがあり、生産窯や生産年代など未解決の問題となっているが、近時発掘による遺品が現われ中国人のこよなく愛する哥窯作品は競売においても高値取引されている。著名香港収蔵家より惜譲。

参照 : CC-637CC-621CC-459
参照本 : 美の求道者 安宅栄一の眼ー安宅コレクション







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