CC-312 澱青釉紫紅斑桃果型洗
時代: 北宋時代 、サイズ:高さ 6.7cm× 口径 16.5cm×外径18.5 cm
価格: \
鈞窯。
明るい天晴釉が総体に美しく掛かり、内面に大きく外面には小さく紫紅斑が装飾される。半分にした桃果形状をし、使用済水を簡易に流す片口を形成し、片側面には葉が貼花され、抱え込み口を持つ書画家必需品の筆洗。三千年に一度実を結び、この桃を食べると三千年の寿命を保つとされる西王母の蟠桃を表わし、長寿を意味している。厚く掛かる釉は大きな氷裂貫入を形成、紫紅斑と天晴釉との対照も美しい。濃く発色した釉を天藍色が薄くなるにしたがって、天晴・月白と称し、独特の釉調から広く澱青釉とも呼ばれる。鈞窯は北方の窯であり、宮廷用のものを焼く為に管理所が置かれ統率されていた。

やきものの世界では「宋磁」は特別の意味を持つものとして扱われてきた。宋磁が様々な陶磁器の中で特に大切にされ珍重されるのは、何よりもそれらの美しさが抜きん出ているためだ。何が美しいかといえば、まず全体の形姿の美しさであろう。壺にしても瓶にしても、鉢や碗にしても宋のやきものは整った端正な形をしている。それは各部分のプロポーション・バランスが良いのが一つの理由といえよう。そしてもう一つの理由はそうしたプロポーションの良さを強調するかのように各部の余分な膨らみを取り去って、ほっそりと引締まった姿に仕上げてあることであろう。そこに生まれる一種の緊張感ある造形が宋磁の特色といえる。そうした全体の姿だけでなく、各部分の形の良さ・美しさにも認められる。口部の形態にその感が強い。部分の形に対する宋の陶工の関心の強さは丁寧に細かく作られている。
宋の陶工たちは、商品として魅力あるやきものを作り出すために工夫を重ね人々の厳しい目に応えて無駄のない緊張感に満ちた美的情趣溢れた作品に作り上げたといえる。厳しい高台の削り、きっちりと高台内に掛かる釉、完璧な処理がなされ重厚である。書斎の中にこういった美しき品々で囲まれた宋代文人は何と恵まれた人達だったことか。桃型洗は宋時代は官窯製が僅かに知られ、清朝時代には倣宋官窯作品が知られる。中国人が文具を重視し、大切にすることは西洋人の及びもつかぬところであって、それは単に文化・芸術を伝える道具としてのみ重要なのではない。
香港著名収蔵家旧蔵品。

参照 : CC-245CC-223









← 青磁 のページへ戻る