駱駝の上に楽器らしき品を抱える胡人(ソグド人)が坐す。鞍敷の両面に魔除けであろう鬼面が大きく装飾されている。駱駝は首を捻り威嚇する動態であり、胡人の愛すべき表情と共に魅力ある造型を成している。
駱駝・馬俑は大型品が多く、小型品は稀少。西方との往来は唐代に限ったことでなく、既に春秋・戦国の頃から西域の文化がもたらされ西へ東へと文物が動いた。彼等にとって駱駝は必需の家畜であり、北魏墓には灰陶加彩駱駝が副葬されている。西安・洛陽の唐墓には、こうした胡人の乗る駱駝俑が多く副葬されており、唐代の長安の町では実際にこのような胡人が駱駝に乗り、メインストリートを行き来しエキゾチズムを醸した。
このような俑が多数取り巻き埋葬される墓室・葬儀の有様というのはどのようなものであったろうか。大墓造営の壮大さがうかがえる。
8世紀初頭に始まる三彩にあっては始めてクレヨンやペンキや粘土を手にした人が驚きと喜びを持って嬉々として俑を彩る様が目に浮かぶようである。西安郊外の地下にはこのような豪華な細工物がまだ山の様に眠っているに違いない。唐代彫塑芸術の見事さが堪能でき、唐時代の国際的な情緒をも偲ばせる佳品である。
近時洛陽郊外墓出土品。
参照 : CT-017 、 CT-019 |