CK-137 陶胎彩漆酒尊
時代: 戦国〜漢時代 、 サイズ: 口径 21.7cm
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灰陶酒尊全面に黒漆を塗り、磨石、金・銀彩で装飾する華麗な酒尊。上部と下部の弦文に銀彩、3区に分けた上下は菱文、中央部は雲気文を金彩で、4ヶ所には銀彩で鹿・馬上人物文を描く。左右には舗首が貼花され金彩で鬼面を、銀彩で環を、3足の熊足は銀彩で装飾する。
宴席の酒器にも用いられる形なので酒尊と称しているが、加彩があることでも知られるように明器である。漢代は死者の葬葬に対して特に丁重で立派な墓をつくり、様々な調度・装身具を豊富に埋葬する風がありしばしば社会問題になったほど。だから初めは装身具でも食器でも調度類でもみな実物を納めたが、後にはだんだん瓦器をもってかえた。実用器としては博山蓋の伴なう銅製品が知られる。
この例に見るような彩画は、やはり壁画墓の流行と何らかの関わりがあると考えるべきであろう。磨光文であるので、光線の当たり具合によって、その文様の鮮やかさが強調されることになる。この時代において、焼きものは青銅器や漆器より低い評価を受けていたと考えられているが、この作品は上位の工芸品に劣らぬ造形の強さと華やかな装飾性を持っている。獣環は一対でなく一個。

参照 : CK-077DK-553










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