青玉製で製作された「天禄」と呼びあわせる霊獣の辟邪。前足に翼を頭に二本の角を持ち、前方を見据え威嚇・踏ん張り威風堂々としている。角と髪と翼は絡み合い、細緻・複雑な彫技は目を見張るものが有る。
更に珍しいのは背中に銅鍍金された小さな辟邪が嵌め込まれており、近年出土する特異な玉彫りであること(参照:GK-086)。素晴らしく活気に満ちた動態は前漢時代玉彫芸術最高峰である。墓室に置かれた「魔除け」つまり邪気に侵されないことを祈る意でもって文人の書斎を飾ったもの。生坑であり完全な洗浄をしておらず、「辰砂」といわれる褐鉄鉱付著であり、玉肌が変化していく態様が良くうかがわれる。古意が有り撫玩に足る逸品。
参照 : GK-108 、 GK-135 、GK-067 、 GK-029 |