DK-525 銅鍍金麒麟文銀錠式盒子
時代: 唐時代(8世紀) 、サイズ:高さ 8.5cm×横 22cm×奥行 12.5cm
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唐代前半期(7〜8世紀中頃)は、中国における金銀器生産の絶頂期であり、多種多様な優れた出来映えの品々が生み出され、宮廷をはじめとする貴族層を中心に持て囃された。

蓋部上面は一段高く打ち出された分銅(銀錠)形状枠内に双麒麟と花唐草が、側面には左右に対の霊獣と前後に花唐草が、蓋身部の左右には対の鳳凰と前後に花唐草が表現され部位に鍍金する。地には微小な魚々子が整然と並び全体に細微が尽くされている。分銅形の圏足が付く。鍛造により厚手の器体上に深く鋭く適確に打ち込まれた鏨によって生動感溢れる。文様が見事に表現され器形・文様ともたっぷりとした量感と張りを兼ね備え、唐代盛期の優れた斬新な感覚が凝縮された優品。鍍金も厚く美しく、高級貴族の持ち物であり、陶磁の交渉がいかに優れた技術を持っていたか、その一端が垣間見える。
造形・装飾・製作技法において、中央アジアや西アジアのソグド・ササン朝ペルシャ・東ローマ等を参考にして吸収し、宮廷工房でもペルシャ・ローマ・ソグドの金銀銅製品を摸倣して専門に作った。分銅形状は元時代の銀錠、明時代の陶磁・漆器に儘見られるが、唐時代の遺品は初見。分銅は秤に使うおもりの分銅で、八宝文の一つとなって吉祥を願う意。

参照 : DK-289DK-193










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