種々形状が知られる古代灯火器の中でも異形であり、1968年華北満城陵山中山靖劉勝墓出土の同形品が知られるもの。とぐろを巻き、首を擡げた盤龍を足で踏みつける羽根を広げた朱雀が環状凹、内部を三区に分け3本のろうそくを立てる燈盤を銜える。
盤龍の体・朱雀の羽・燈盤には雲紋が刻され、部分的に鍍金で装飾する。戦国時代に至って生活水準の向上により、未だ上層の人々に限られたことではあるが、座右に置き身辺を照らす灯火器の遺品が俄かに増えた。蝋燭の発明までにはまだ数百年を待たねばならず、灯盤に獣脂を置き、竹の細片を縛ったものや獣毛を縒ったものを灯芯にし、燃やして明かりを得ていた。
朱雀は南のシンボルの鳥で、図としては鳳凰で示されることが多く、天地の四方を表わす。シンボルは唐・宋頃まで盛んに使われていた。戦国時代から前漢時代にかけての時期の灯りには質の高い工芸作品が少なくないのは、この頃まだ脂が高値で、灯りは支配層だけが用いた器具であったことと関係する。
参照 : DK-050 、DK-006 、DK-003
参照本 : 中国美術全集D青銅器U |