DK-291 青銅金銀象嵌鳥形鎮
時代: 戦国末期〜漢時代 、サイズ:高さ 11cm×径 9.5cm
価格: \

鳥が振り返って羽を繕うような姿。「動物意匠」の一つの形式であって戦国時代から見られるスキタイ風動物意匠の影響。鳥はグリフィンの形を引く怪鳥であろうが、既に後世の鳳凰に近く模られている。尾羽を扇状に広げている様子はこれら鳥形器の造形上の特徴であり、清代倣古品もよく写すところである。上面に稜をもった鋭い嘴や先の尖った爪の表現も熊と同様、当時の工人が意を用いたところ。全体を金と銀の象嵌で表す華麗豪華さで一際目を引く遺品である。底板は嵌め込まれているが、鉛などは充填されず軽量。錆がうっすらと生じ、伝世器にはない古意ある風情が好ましい。鎮として大型品。
このような象嵌技術は当時の新しい技法であり、青銅器の鋳造技術が最高水準にあったと知れるし、周王朝の伝統的様式を模倣しようとしたものでないことがわかる好例。2000年余前のこれ程の皇家の品が撫玩できること、嬉しい眼福といえる。

参照 : DK-212DK-102DK-080DK-079








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