CB-361 釉裏紅菊唐草文壺 / Iron-Red Vessrl

時代:元〜明時代初期(AD1280〜1399)  、 サイズ: 胴径 7cm×高さ 5.5cm

価格: \
元時代、青花・釉裏紅陶器の大型伝世品がトルコのトプカプ宮殿博物館やイランのアルデビル寺院に数多く保有されているが、フィリピンなど東南アジアではこれら至正様式とは異なった作風の元青花・釉裏紅磁器が多く出土している。
それらは枢符系の釉薬で小品が多い。

インドネシアでは碗類、フィリピンでは副葬品としての小壺類が発見される傾向にある。当然大作作品より廉価であったはずで、入手もしやすかったと思われる。東南アジア諸国からの注文によってわざわざ作られたものと考えられているが明確ではない。

青花に比し焼成が困難であった釉裏紅は非常に少数であり粗画が多い中、菊唐草模様が丁寧・密に描かれ釉裏紅の発色もダミが出て、かつ部分的に飛ぶこともなく濃艶な小豆色が美しい。愛すべき掌玩品と言える。
添牙蓋・御物袋付で茶入れとして伝来。小品勿ら約束通りの胴継ぎ作品であることが内側面からわかる。カリッと焼きあがった緋色の出たゴマ土の底も魅力。掌中の陶磁と言える。

参照 : CB273CB-211CB-003













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