WS-128 彩漆筆・箱
時代: 前漢時代  、 サイズ: 筆箱 / 長さ 34cm×横 4.5cm×奥行 2.8cm 、 筆 / 長さ 31cm×径 0.9cm
価格: ¥
馬王堆、女性遺体でも知られる湖南省長沙近郊墓出土。長沙に漆器が豊富に随葬されているのは漆がこの地方の特産であることと深く関連している(北方中原の墓には漆製品は少ない)。筆筒には筆が入り、もう一方には本来の長さ23cm余、巾1cm余、厚さ2〜3ミリ余の竹簡・木簡が入った。
湖南は朱・漆の産地であり、紙が開発・普及される前、書物や書類は木簡が。竹が茂る長江流域では竹簡が使われた。これらの札を並べて簀子のように、または簾のように数本の紐で繰り合わせた。竹や木の書類を扱う役人は「刀筆の史」と称された。この場合の「刀」とは書き損じの時に札を削る為の消しゴムの役目を果たす小道具のこと。刀筆の吏(文字の記録をつかさどる役人)の必需品。
筆の改良は前3世紀から前2世紀にかけての書体の変化に応じて次第に発達改良された。漢時代は隷書の全盛期。筆毛は鹿毛か兔毛が多い。

参照 : WS-082







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