15個の獣足に支えられる辟雍硯。六朝時代 3・6・8個の獣足硯が青磁で多く造られたが、隋〜唐時代になると多足となる。中国では硯面中央が突起し、その周囲に海が巡る円形硯は、その形を周代の大学名になぞらえて辟雍形硯と名付けている。墨流しのように見える文様は、白土・赤土の二種類の異なる胎土を練り合わせて切り、偶然に生じた縞文様を利用したもの。硯面を除く総体に黄釉を掛ける。表面には墨痕が残る遺品も知られ実際に使用されたものであると知れる。正倉院宝物の中に八世紀始め頃の墨の実物が伝来しており、当時既に固形墨が普及していたと推測される。
参照 : CS-062 、CS-116、CU-004 、 CC-139 |