越州窯。
肩に鶏首を飾り、両脇にはこの時代の古越磁に特徴的な台形の耳がつけられ、盤口を銜え込むような形で龍を象った把手が付く。この種の鶏首の有る壷は天鶏壷と称され、越窯特有の器形で青磁の作例が多い。把手を伴うため水注のように見えるが、鶏首が注口の役割を果たすことは殆ど無く、実用器というよりむしろ明器であったと考えられている。浙江省徳清県内にあった徳清窯は黒釉の生産で著名であり、この壷はその中でも精微な優品。全体的にきりっとした滅張のある形をしており、施釉にもムラが無く、幾本もの流釉も美しい。釉薬に3〜5%の鉄分を加えた場合に青磁となり、それ以上の鉄分が加われば黒釉となる。黒釉天鶏壷は青磁に比べ遺品も少なく、かっては極めて高価な品であったが、近年発掘により入手できる事となったのが嬉しい。
参照 : CM-024 |