CC-398 青磁刻花双鳳文碗
時代: 五代時代(10世紀) 、サイズ:高さ 7cm× 口径 20.3cm
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越州窯。
丸く湾曲した形態の碗で、器底には目跡が残る。この時代の越州窯の特徴とも言える灰緑色の釉が全体に施され、見込みには尾を長く引いた一対の鳳凰が宝珠の周りを巡っている文様。口縁内に唐草文がそれぞれ細い線彫りで描かれている。外側面には蓮弁文が浮彫りにされ、器底中央には「天」という文字が彫られている。晩唐時代になると「越窯」の名が暫々詩人の中にあらわれる様になる。詩人達が特にその名を上げて賞賛していることによって、晩唐時代の越州窯青磁がそれまでにない新しい美しさを備えたやきものとして歓迎されていた様子がうかがわれる。
「千峯翠色」とあり、その色合いが山の峰々の緑に譬えられているように、当時の人々の心を捉えたのは、何よりも青く澄んだ釉色の美しさであったのだろう。それまでの黄ばんだ、或いは灰色がかった釉色の磁器に代わって、美しい青ないし緑色の正真正銘の青磁が誕生した。

参照 : CC-239







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