龍泉窯。
外側面には蓮弁文が削り出され、口縁は幾分端反りの鉢の形。釉は美しい砧青磁色。龍泉窯は北宋時代になって越州窯の影響下に開窯し、始めは越州窯と同様に彫り文様のある透明性緑色釉の掛かる青磁(参照:CC-284)を焼造していたが、南宋時代になって南宋官窯の影響を受けて作風を洗練させ「薄胎厚釉」の器物を焼造するようになる。すなわち「砧」 「粉青」と呼ぶ失透性のある明るい青釉が開発された。もともと官窯青磁は文様を器の表に表すことを好まなかった。そこで砧青磁もおのずと無紋が基本態となったが、控えめには文様は施され蓮弁文様はその代表的な文様の一つ。すっきりとした姿に重みを感じさせるところが砧青磁ならではの味わい。日本にある伝世品では端反り蓮弁文碗は稀少。 |