官窯。
大きく膨らんだ肩からなだらかに裾へと窄まる瓶。沈潜した深い青磁釉が掛かり、官窯特有の「類氷」といわれる氷裂状貫入が全面に大きく美しく現れる。官窯の美しい色調と際立った貫入は、石灰を多く含んだ釉を何度か施釉し、低い温度で焼成することによって得られるもの。玉にも似た深い美しさをたたえている。
高台露胎部は醤褐色色で「紫口鉄足」の特徴を示す郊壇下官窯。南宋官窯青磁を日本人が好んで中国に求めていたことは、明末の相応星が「天工開物」に語るところであり、その声価は特に日本で高いことを述べており、それほどこの種の青磁は我国の審美眼を魅了した。
南宋官窯の勅命による官窯は、これまでのところ「郊壇下官窯」が発見されており、したがって南宋官窯という場合「郊壇下官窯」をさす。宋代の焼物は優雅であることを求めたが、本品は柔らかさと潤沢さの中に高い気品をたたえ、宋代官窯の追及した美・官窯風格をそなえる。
参照 : CC-267 |