龍泉窯。
広口で胴が張り出し、下部で窄まるこの器形は酒海壷(酒会壷)とも称している。大型品は文字通り酒を入れ、杓で汲み出す使い方がされたといわれる。
鎬文は蓮弁文の要素が薄まり、鎬文と呼ぶのに相応しい形態をしており、蓋の鎬文同様削り出して作られている。本品の如くの寸法品は我国では茶方で好まれ、多く伝来している(形物香合番付では東方三段二十位に位置する)。
梅子釉という緑の強い美しい青磁釉であり、鎬文の薄釉部との濃淡が美しい。大作が横行した元代の龍泉窯でも小品は欠かせない製品の一分野であったし、どんなに小さくても時代の風格を失わないのが中国陶磁の特質の一つ。この小壷の抑揚の強い姿にも元時代の力強い作風が宿っている。酒会壷は大・小とも共蓋が欠損している品が多く、添えられていることも喜ばしい。
大型鎬文酒会壷は横浜市称名寺境内出土品が重要文化財に指定されており優品として知られる。蓋は無文・身は有文。蓋・身とも無文も青磁酒会壷にはある。
参照 : CC-116 、 CC-025 |