龍泉窯。
この手の器形の香炉を袴腰と称しているが、原形は殷周青銅器で、袋状の三脚を有する煮炊器「鬲」にある。我国へは鎌倉時代から仏具として入って来ていたが、桃山時代の茶人達の嗜好から茶道具化している。腰に浅く凸線を削り出し、腰から三脚へ稜線を盛り上げ、ガス抜きといわれる微孔が各付根内側に開ける上手品。
釉は光沢も失われていない青味がちの天晴色である砧色。脚先端は灰白色の胎土が現れ、周囲は薄褐色の火色が出る。口縁の鍔形状・腰部の稜線の取り方・三脚の張り具合等、全てにわたって緊張感ある造型は必然的に濃淡となる釉色となり、一段と品格ある優品としている。インドネシア某寺院伝来品であり伝世品という事も価値を増している。
日本に伝来していれば金銅菊唐草文透かしの火屋と象牙の替蓋とが添えられ桐箱に収まって大切にされてきた事であろう。
寸法はこの寸法を小として、中・大の3寸法があって、中と小とは日本からの注文であったと思われている。香炉の製作時期は比較的長く、新安沖引揚遺物にも含
まれている。大切に取り扱われてきたもので擦れ傷もほとんどない見事な香炉。
参照 : CC-007 |