盛唐を代表する美人俑は、豊頬豊満な樹下美人式の俑である。この形式の美人俑は8世紀の前半代に集中し、一般に楊貴妃の艶姿を写したといわれる。一方女侍などの職能を表す女子俑に豊満な体型は見られず、痩身に表現されている。透かしの有る見事な冠を被り、腰を捻って踊るようであり、胸を少しはだけて緑色の長裾には、長く垂らした袖を持つ羽織を着る。先の反った沓先にも褐釉が施される。顔は丸く露胎であり眼は墨彩、唇には朱彩頬にも紅彩が残る(冠も朱彩が残る)。顔は表情に潤いがある。華麗な釉の照り・造型の確かさ等、相当な高級貴族墓に副葬されたと知れる。器形は大形、容貌も気品高く華やか。瑞々しい表情で姿形に動きがあり、見るものを魅了する。この像の唐代盛期の製作である事はその幾分紅色がかった白く美しい胎土・鮮やかな三彩釉の発色、また造形的厳しさがモデリングの柔らかさと釉発色の美観にとって変わられていったあたりにもうかがえる。
近時西安郊外墓出土品。対であって姿態の相違する舞女俑は残念なことに欧米に流れたが今買交渉中 !!
参照本 : EARLY DYNASTIC CHINA : WORKS OF ART FROM SHANG TO SONG |