CS-048 三彩雙魚穿帯瓶
時代: 唐時代末 、サイズ: 高さ 16,5cm
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長沙窯。
腹合わせの双魚が立った形の壷。今や龍門を登って龍となる鯉魚を意匠しためでたい形。鯉の両側面上下には鐶耳が付き、本来の水筒の吊り紐を通すしかけになっている。鐶耳の下には鰭をあらわし、魚体には鱗文が刻まれている。類似形状としては唐三彩にも雙魚扇壷の大小が見られる。薄黄釉の上に、褐釉と緑釉を流すのは長沙窯特有の釉掛けであって爽やかな感じとしている。長沙窯は瓦渣坪窯・銅官窯ともいい、湖南省長沙県の瓦渣坪にあった窯。唐時代末に始まり、筆で簡単な花文や鳥文・斑魚文を彩描した水注・皿等が知られる。我国にはほとんどこの遺品はもたらされないがインドネシア・フィリピンなど東南アジア方面には古くから輸出され多くの出土をみる。
長沙窯は唐から王代にかけて南方における重要な青磁窯場の一つであり、湘江を通って南京へ、もう一つは寧波へ船で運ばれた。製品としては、水注を主として鉢・碗・枕・小動物が多く、本品の形状は稀少。イスラム圏に向け彼らの嗜好を満足させる為、三彩陶器の色彩豊かな装飾法が影響したといえよう。

参照本 : 世界陶磁全集K 宋







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