景徳鎮窯。
温かみのある白地に緑・黄・水色の三色で彩った石榴と橘を表わしている。地には芭蕉文を頸部に、胴面には龍文を微かに彫刻している。この白地素三彩の作成順序としては、素地がまだ生乾きの時、外側面に火焙り宝珠を追う五爪龍二頭を線彫りしておき、その上に白彩を塗って全面に透明釉をかけ高火度焼成を行う。その後、外側面に黄釉・緑釉・紫釉(樹の部分)で文様を表わし、輪郭線を引いた後、透明鉛釉をかけて低火度焼成している。
鉛釉の下、簡略な花文様が色釉とともに潤み、また絵文様と無関係に表された線彫り龍文の細かい凹みも影響して、器面に複雑な表情を醸し出し、柔らかな描線と深みのある色調に特色がある。高台内には青花で「大清康煕年製」の楷書銘が二重円圏内に記される。
盤・碗にこの文様の作品は知られるが、瓶は初見。石榴は多子を、橘は発音が吉に通じる吉祥文様。素三彩は明時代正徳期の作品が最も精品だといわれている。
参照 : CQ-056
参照本 : 中国美術にこめられた意味 |