全体の器壁は1.5ミリ以下にまで削られ、卵の殻のように薄く軽い。山東省の龍山文化は、かって「黒陶文化」と呼ばれた。漆を塗ったかのように艶ややかな黒陶は、正しく山東龍山文化を代表する土器である。還元焔焼成時の最終段階において、燻しながら炭素を土器に浸透させることで、器壁の芯まで漆黒に発色できる。轆轤回転と還元焔焼成を駆使して作られた龍山文化の黒陶は、中国の土器作りの歴史上、間違いなく頂点であった。
日本では縄文土器が作られていた時代、中国では均整のとれたシンプルで優美な器形と美しい色が追求されていたことがわかる。しかし前200年頃、龍山文化が終焉を迎えると黒陶も急激に衰退し、やがて消失した。 |