景徳鎮窯。
下に膨らんだ長胴面には蓮花文を伸び伸びと描き、地は線状で埋め、百合口を冠した鳳首が上に付き、首は金属的な円柱形に作り、中程に節を作っている。鳳首の口は貫通しておらず、装飾品。鳳首瓶は唐代の伝統的な形と見られがちであるが、その後の歴史的過程には空白があり、北宋になって再びこのアイデアが別途考案されたと考えられる。
それにしても瓶の器形は凛然たる様、釉色釉調、犯しがたい気品を備えている。終日見ていても見飽きることはない天上の眼福と言いたくもなる完成度の高い作であり、名工の技になるものだろう。鬼気迫るような迫い表現には、いかにも唐の優雅さを含む鳳首瓶とはすっかり表情を変えている。類品は大英博物館蔵「白磁刻花牡丹唐草文鳳首瓶」 が最高優品として常に紹介されるが、さてどちらが魅力的で上であろうか。今こうして続々と新資料が出現する中国古陶磁であるが、我国の陶磁学者・評論家が千年旧の如く展覧会・出版物に発表する同品(ほとんどは評価の定まった美術館蔵品)を金科玉条の一級品と拝み奉る妄信を今しっかと自分の目で排除し、選択したいものだ。こんな混沌とした時代だからこそ、凛とした気品ある極上品から奮い立つ気力・癒しをもらいたいと思う。
香港の金満収蔵家宅で見せられ20年来瞼に焼き付けられた品がやっと我が手に感謝!! 優れた古美術鑑識眼を持った川端康成が「いいものに出会うと自分の命を拾った思いがある」と言った。つまり「長生きできる思いがするほど嬉しい」ということだろう。名言である。
参照 : CW-144
参照 : 中国の陶磁 |