定窯。
中央鏡部に双魚、外周には蓮池魚藻文、地は流水文を、口縁下は雷文を緻密・明瞭に少しの乱れもなく押捺している。「繍花」と呼ばれるに相応しい繊細・秀麗なことで知られる印花技法。全面に掛けられた透明釉は全体にクリーム色を帯びて暖かい印象を与える。定窯の印花文は特別な意匠の製品を注文生産することから始まったと考えられている。銀器を手本としている。窯詰めの際に天地逆置きする伏せ焼きの技法がとられており、口縁には釉が掛からない。高い品格を持つ華麗な作品。
定窯の窯のある河北省曲陽県は、唐末から五代にかけて節度使の駐屯地として栄え、定窯の始まりもその頃とされる。宋代には華北における陶磁生産の中心地となった。佳品である。
近時発掘後未洗浄で付泥状況がよくわかる。
参照 : CW-098 、 CW-085 、CW-055 |