CW-155 白磁刻花蓮花文合子
時代: 北宋時代(11〜12世紀) 、サイズ:高さ 10cm×径 21cm
価格: \
定窯。
銀器をモデルとした甲盛り形蓋全面には蓮花を、一文字の合せ口の側面には捻花を刻花する。手慣れた刀法が齎す階調は、如何にも小気味良い。刻花文は定窯で最も好まれた蓮唐草。片切彫り蓮花唐草文の流れにまかせた切込みに陶工の心の余裕が偲ばれると同時に、銀器の持つ鏨の彫りとやきものの箆彫りの違いが認められ、やきものの温容な魅力もここにある。石炭を使用したであろう定窯は炎が短いために酸化炎気味になってクリーム色になっており、それが一層の潤いを与えている。
デイヴィドコレクションに径17.8cmの耀州窯牡丹唐草文合子が知られるが、定窯の大型合子は初見。甚だ見応えのある作品といえよう。軽量な造り。
我国の定窯白磁重要文化財指定の2点の鉢と洗は共に刻花蓮花文。11世紀後半に始まった刻花と印花技法で装飾する定窯は、13世紀に入っても両技法を用いた作品が作られていたが、次第に衰退し景徳鎮の白磁にとって代わられた。

参照 : CW-037
参照本 : 中国陶磁の至宝 英国デイヴィドコレクション








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