DK-545 銅人面具
時代: 商時代(前17〜11世紀) 、サイズ:高さ 24cm×横 37cm×奥行 17cm
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三星堆文化。
顔は横幅があって、大きく高い鼻がくっきりとした稜線で中央に座るため均衡がとれずっしりと安定している。輪郭がシャープで、精悍な印象を与える。
三星堆遺蹟からは全部で16点人面具は出土したが、本品は中型に属す。顔の表情は人頭像のそれとほぼ同じであるが、全体に横長、表情も穏やかといえる。極度な誇張によって最も重要な崇拝対象である眼球を強調しており、三星堆の人々の重要な信仰対象を知ることが出来る。蜀人の始祖は名を「蚕叢氏」といい、「縦目」であることが大きな特徴とされるから、こうした人面像も蜀国の祖先神の象徴だったのだろう。古蜀の歴史は「史記」や「蜀王本紀」「華場国志」という本に断片的に記されているが、いずれも口伝を構成に記録したものであり、神話・伝説に色濃く包まれている。
仮面は顔に付けることによってそのものに瞬時に変身する機能、今一つは死者の仮面に示されるように魂魄の離散を防ぎ、悪鬼の侵入を守り、永遠に変らぬことを保障するもので、つまり変化と普遍・生と死を一つにして体現するものであろう。中国では毎年のように地下から驚くべき古代遺物の発見がある。こうしたものを目にすると、中国古代について私達は何を知っていたのだろうと自問せざるをえない。仮面は三星堆ほど多量ではないが、他の地域の遺跡からも多々出土している。成都平野は銅を産出せず、他域から運び込んだといわれる。

参照 : DK-351
参照本 : よみがえる四川文明 三星堆と金沙遺跡の秘宝展










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