DK-466 青銅象尊
時代:商時代晩期 、サイズ:高さ 26cm×横 35cm×奥行 14cm、重量 5kg
価格: \

蓋と共に器全体を象の形に作っている。高々と持ち上げた鼻は内部が中空になっており、器腹内へと通じている。鼻には鱗文を施し、前後に突稜を付けている。鼻の先端には獣首が飾られ、その上には虎が伏せている。額には角のように巻いた一対の蛇文がある。体には様々な形状のき文、前足には虎文、後足には饕餮文を飾っている。尻から尾にかけて突稜が付いている。肉厚であり、重量がある。 手に持つとかすかでも3000年余前の過去の人々の繋がりを感じて胸が高鳴るし、殷周青銅器を見ると芸術千古という言葉を思い出す。立派な芸術はいつまでも残り、長くその価値を高く評価されるが、銅器の場合には名実共に芸術千古と言う言葉を実証してくれる。現在の中国でも、中国民族文化の最も優れた遺産として最大級の評価が与えられている。殷周青銅器特有の錆が緑を主とした西瓜色、鋳上がりの抜け、艶を含んだ肌色など申し分のない青銅器の魅力を持つ一級品。三千年の歳月はむしろ出来た時よりその美しさを増しているといえようか。

蓋の失われた類品が湖南省博物館に、蓋を伴なう品はフリアー美術館(高さ17.5cmの小型)に蔵されるが、鼻の形状・文様は幾分相違する。本品は湖南省博物館蔵品と同形。尊は本来酒を入れる容器の総括的な名称で個別の器種の名ではなく、鳥や四脚獣の姿を象った容器を尊と呼ぶ。洛陽郊外古井戸を利用した窖蔵より出土。
このような作品に出会うと、この機を逸して二度と見ることは出来まいと無理をしてでも買うこととなるが、対面すればその幸福は天地を我が物にした気分である。

参照 : DK-462GK-538
参照 : 中国製銅器全集 商C









← 銅製品のページへ戻る