円筒形で本体には一面にS字型の蛇紋が鋳出され透かしが施される。蓋には2つの耳が人面の鼻となり、目の部分は透かしとなりお互いに向かい合っている。蓋の上には体表に雲文が刻された牛が立ち、その姿形は生々としている。身部は3羽の鳥が筒の足となり支えている。筒は上から下へ幾分細身に形成されている。類品で頂上に鹿・ち龍が飾られる。細身の筒は針筒とされているが本品の用途は明確でない。牛は歴史上「こぶ牛」と称されたもので雲南青銅器のその他の図柄にもこぶ牛が描かれており祭祀や食用、そして富の象徴に用いた。テン文化では牛が突出した扱いを受けていたことがわかる。透かしがあるので香炉の用かもしれない。
前漢の元封2年(BC109年)漢の武帝がテン国を降伏させ、テン王に金王印を下賜した。雲南テン国の作品。テン文化の遺産は巨大な一連の首飾の如く、テン池・撫然湖そして星雲湖を取り巻いている少数民族の王国であった。テン国青銅器文化の文物は数量が豊富で種類も多く造型の奇抜・優美さ・製造技術の精巧さなどにおいて、世界の青銅器文化の歴史上稀に見るほどのもの。西欧では特に注目・感心が持たれ、積極的収集がなされている。
参照 : DK-259 |