たくましく肥った熊。両手を広げ、うずくまる形。
内側は空洞で、おどけた造型が愛らしい。
熊は漢代十二神獣の一つで方相氏とも呼ばれ妖怪を退け、邪をよける働きがある。器物の支柱や脚の意匠として、人物・龍・鳳凰・熊が力を込めて支える姿を象るのが戦国末期〜漢時代の流行であった。
中でも肩と腰に力を込め、口を捩って踏ん張る熊の姿は力強い中にどこかユーモラスな雰囲気があり、後世の蒐集家達にも好まれた。
鋳上がった後で付け加えられる鋭い爪、見開いた目、肩や腰の彫りの表現は味わいがある。対が嬉しい。
参照 : DK-028 |