中国古美術に関する最新情報を随時お知らせしていきます。オークションについてや博物館などの催し物情報など。

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No.20 (2003/05)
2. 上海博物館誕生秘話

先年建設。評価の高い中国を代表する上海博物館。
多くの後援者の力が有った事が知れます。上海のいろいろも。

「 新上海 」 (集英社インターナショナル刊) をお読みください。

1. 中国・台湾のディーラー来店

日本への出入りが自由な台湾業者は以前より中国古美術を探しに来店していましたが、最近は中国本土から業者(まだ日本入国にはいろいろな制限があるので限られている)が来日します。日本にある中国古美術もやがて流出していくのでしょう。
(かって、ヨーロッパへ流出した伊万里、蒔絵、刀等を日本商人が競って購めに行ったと同様。)

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No.19 (2003/05)
1. 香港サザビーズオークション

★ SARS騒動でクリスティズは延期

サザビーズは開催。
日本から出品の「龍泉窯砧青磁香炉」はHK3,198,000(日本円で、5000万円余)で落札。 日本伝来、明治期のホヤ付も評価され高額に。
中国古美術の名品はまだまだ日本に眠ってます。捜してください。

 

★ 「銀獣面環」が高額落札

円明園の一つ長春園の建物に取付けられていた「銀獣面環」が、HK6,782,400(日本円約1億円余)で落札。
円明園噴水に置かれていた12支銅頭が近年香港オークションに出品。返還求める騒ぎとなり結局高額で落札されましたが、英仏連合軍に略奪された円明園に対する中国人の強い思いを感じます。

 

★ 中国人の古美術蒐集

海外に居住し成功した華僑を始め、中国国内の「裕福な中国人が余暇を過ごす方法には二通りあってどちらかを選ぶことが出来る。 内縁の妻を持つか、古美術の蒐集かどちらか」 と言われている程。 今後ますますオークションを始めとする古美術市場は活況を呈すると予測されます。

近年の特徴として盗掘による貴重文物が骨董市場で評判となり、盗掘墓が中国国内で再調査発掘され、想像以上の発見に繋がる事が多いという事も。

又、上海博物館では香港、海外オークションから重要文物を積極的に買い戻しているのも実情。

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No.18 (2003/05)
1. 中国古美術に関する本を紹介

「 闇に消える美術品 」  東京書籍刊

副題が「国際窃盗団・文化財荒らし・ブラックマーケット」

中国古美術の流出に関しても「香港、この巨大な倉庫」と興味有る内容です。


「 中国考古の重要発見」
 

日本のエディタースクール出版部刊。
20項目にわたる1980年代以降の大発見情報を描き出す内容。

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No.17 (2003/04)
2. バクダット美術館、美術品収奪

つい先程タリバンによるアフガニスタン文化財の破壊・盗難に続き残念な事が起きました。

カブール美術館からの貴重美術品が欧米・日本の美術市場に流れる ドキュメンタリー

「アフガニスタン、さまよえる国宝」 NHK出版

をお読みいただき危機に瀕する中近東美術品の理解を深めてください。

1. 香港オークション中止延期

例年4月末にはサザビーズ、クリスティーズ 両オークションが香港で開催され、中国古美術ファンは楽しみな期間ですが、SARS の為中止。

4〜5月は中国国内オークションの開催予定も多く、奇病は早く終焉して欲しいものです。

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No.16 (2002/12)
3. 上海博物館

72点の国宝書画を集めた「晋唐宋元書画国宝展」は、連日数千人の人出で博物館の周りをぐるりと人の輪ができています。

かつて日本、東博で開催されたツタンカーメン展」、「ミロのヴィーナス展」を想起させます。
残念ですが観る事は不可能が開催中続きそうです。

2. 前漢の墳墓発掘される

山東省済南市で、村民が植樹用の穴を掘っていて陶製の彩色馬頭部を発見。さらに多くの兵馬俑が発見可能性と。
11月27日報道、次々と新発見され「中国の考古学者が羨ましい」 と日本の考古学会の嘆きが聞こえてきそう・・。

1. 上海世界万博開催

北京2008年オリンピックに続き、2010年上海にて世界万博開催決定。中国経済継続上昇は恐ろしい程活況を呈す。中国古美術界も楽しみな今後です。

失われ行く四合院。胡同の消滅前に急いで北京に・上海にお出掛けください。

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No.15 (2002/11)
2. 泉屋博古館名品展

住友家の旧蔵品を蒐集する京都泉屋博古館は「古代中国の商・周時代の青銅器」、「明・清の中国絵画」の優品コレクションで世界的に有名であるが、今秋・東京六本木に分館がオープン。中国美術の粋を堪能してください。

1. 上海博物館にて

「晋唐宋元書画国宝展」   11/30〜1/6

唐代 「高逸図巻」、北宋時代「清明上河図巻」等滅多に鑑られない貴重な中国書画の逸品が展示。この機会に是非お出掛けいただき、上海発展のすさまじさを実感してください。

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No.14 (2002/11)
4. 磁州窯に興味のある方は是非。

12月8日まで、大阪市立美術館にて

「白と黒の競演」 --- 中国・磁州窯系陶器の世界

が開催。日本人が最も好み良品が将来されている磁州窯系陶器の素晴らしさを再確認できます。重要文化財である2本の梅瓶、日本各地に埋もれた名品も展示です。
3. 香港クリスティーズ オークション 落札報告。

「雍 正 」は日本円で約6億円。

 

「定窯黒釉盤」 は、日本円で、約2億3千万円。


2. 中国を知る本

「 江南 中国文雅の源流 」 講談社 選書

蘇州・杭州の富・美・快楽を称え、地上の天国と謳われた江南。空前の書画骨董ブームも描かれ興味深い。


「 中国の愛の花ことば」
 草思社

中国の古典から35種の植物の花ことばの由来。興味深いエピソードを紹介。
花に託した中国人の愛情表現や感性を浮彫りにしている。中国陶磁に描かれてる花に対する興味も一段と増すでしょう。

1. 香港サザビーズ 「 元、青花釉裏紅大壷 」

10月30日香港オークションには、今まで世界に4点のみ知られている元時代の 「青花釉裏紅垂肩如意串珠開光式鏤空花花卉文大緘罐 」 の新発見が出品された。

残念ながら落札されませんでしたが、同手品をかって不言堂の坂本五郎氏がオークションにて1億8千万円余で入手。世界に元染付の話題を提供した事に感無量。中国陶磁の新発見・名品が市場に出る可能性大の中国の今後が楽しみです。




No.13 (2002/10)
2. 秋の夜長にもう少し中国史を・・。

「シルクロード全史」 中央公論新社

従来の西欧史観に依らない東西交流史。
蘭州大学教授の著。

1. 香港クリスティーズ オークション
10月28日、10年に一度出るかどうかの雍正官窯 胡月軒手 「 」 が出品。 4〜5億円のエスティメイト。
大阪萬野美術館も名品を放出、「定窯黒釉盤」はエスティメイト1〜1,5億。いくらで落札されるか楽しみです。{結果は追って報告します)。
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No.12 (2002/10)
1. 「坂本五郎」 青銅器寄贈

世界に著名な美術商「不言堂」の坂本五郎氏が長年収集した中国青銅器380余点を奈良国立博物館に寄贈、一般公開。
かつて「元染大壷」を1億8000万余、又大阪市立東洋陶磁美術館収蔵の重要文化財「元染魚藻文壷は8000万余でオークションにて入手。 あらゆる古美術を情熱収集した、氏ならではの快挙。

2. 話題の書をお読み下さい。

「最後の宦官秘聞 ラストエンペラー溥儀に仕えて」 / NHK出版 刊

男ではない男の集団、宦官の赤裸々な語り

「長江物語」 飯塚清吾著 / 大修館書店刊

全長6300キロ揚子江の今と昔。

「シルクロード 飛天の舞に魅せられて」 飯塚清吾著 / 大修館書店刊

「中国意外史」 新書館

※日中国交正常化30年で、報道・出版にと中国関係が目立ちます。
中国古美術への関心も高まる事でしょう。


No.11 (2002/09)
1. 明帝国見聞録です

「クルス中国誌」  講談社学術文庫

ポルトガル宣教師が見た大明帝国。マルコポーロ以後の信用に値する旅行記。タイムスリップの楽しさを味わえます。

2. 毛主席専用陶器

毛沢東の日常使い専用陶器「最後の官窯」を上海の収集家が500点余集め、近く上海の私設博物館に展示される。ブルネイ王室からの「7億円で買いたい」という申し出を断ったという。数年前中国国内オークションに何点かが出品され驚く高値で落札されたこともある。

2. 台湾へお出掛け下さい。

■台北故宮博物院 10月5日〜12月20日
「乾隆皇帝的文化大業」
200件余の大展覧。

■鴻禧美術館 10月4日〜11月3日
台湾著名ディーラー11店が名品を展示します

以上2件是非合わせてご覧下さい。

No.10 (2002/07)
1. 本の紹介

「流転清朝秘宝」  NHK出版  冨田昇 著

今世界の美術館で異彩を放つ中華文物が清王朝末期に流出した流転の謎を解明するドキュメント。
明治から大正へと日本人骨董商の活躍中国の秘宝が日本にもたらされる経緯、政治混乱時の美術品の大移動など衝撃の書。

 
2. 銀座にどうぞ

銀座アンティークストリート(銀座アンティークス)ができました。

銀座ファイブ2F。世界の古美術品店が17店舗となりました。まだまだ増える予定です。
AM10:00〜PM8:00
ほぼ年中無休で営業していますので、是非お出掛け下さい。
銀座アンティークマーケット事務局
TEL03-5568-2650



No.09 (2002/06)
1. オークション落札結果

 

電気スタンドとして使用されていた「雍正粉彩瓶」が5月7日香港サザビーズでHK$ 41,500,000(日本円約7億5百万)にて落札。

清朝官窯磁器の最高落札値を更新。他にも高額品続々落札の香港でした。


4月23日
北京嘉徳オークションでは北宋徽宋皇帝の「写生珍禽図巻物」が、元25,300,000-(日本円約3億8千万円)で落札。本品は日本伝来品とのことです。
名品は、億単位となってきた中国美術ですが、西洋絵画から比べればまだまだ価値から言っても極安。10億単位となる日もそう遠くはないでしょう。
2. 本の紹介

「チャイナインパクト」 講談社刊 大前研一 著

中国経済の今、今後を知る衝撃の書です。中国古美術の値上がりも加速度的です。
かつて世界中の金がアメリカに集まりましたが、やがて中国に動く時代が来るのは間違い有りません。中国の株式、不動産、それに美術も活気を帯びることになります。
中国古美術に関わっていれば間違いなく今後色々な意味で楽しい展開となりますので、是非皆さんも興味を持ち続けてください。

※北京の今を知る本です。
「NHKスペシャル アジア古都物語・北京 胡同に生きる」 NHK出版

オリンピックに向け、北京の大規模開発により、眠っていた古美術が市場に流入する様が描かれ、今すぐにでも骨董自由市場へ飛んで行きたくなると思います。取り壊される胡同から流れ出る中に、大珍品が・・・・。
夢膨らむ北京の今です。

2. 邱永漢のホームページをお読みください。

台湾・香港・中国本土と行き来している「金儲けの神様」 邱永漢。
その邱永漢が”ほぼ日刊イトイ新聞”のホームページの中で、日刊で発行(執筆)しているのが
【もしもしQさんQさんよ ― 邱永漢の読めば読むほど トクをするページ】 です。
中国の経済状況が良く分かりますので、是非お読みください。

【もしもしQさんQさんよ 邱永漢の読めば読むほど トクをするページ】
http://www.1101.com/Q/index.html

No.08 (2002/05)
1. 香港 館蔵品・私蔵品の放出

香港の著名美術館の経営母体不振で館蔵品・社長の私蔵品などの収集品を放出していますが、長年の関わりで私も扱える事となりました。残念ながら事情によりホームページ上に出品できない優品多数ありますので問い合わせ、またはご来店いただければ幸いです。

2. 中国への里帰り品捜しています。

古くは足利時代より無数の唐物が日本に到来していますが、清朝末頃から第二次大戦後までの明・清朝古美術品の将来は膨大な数と思われます。思わぬ珍品・良品が未だ日本のどこかに眠っています。特に工芸品・書画の優品を捜しております。 情報ご連絡ください。優品は、また中国に里帰りさせたいと思います。

3. 中国古美術の商売を始めたい方へ

どうしても古美術商売をやりたいという方が増えています(あまりオススメできませんが・・・。)
ただ私の出来る限りでの中国古美術売買アドバイスは致しますので、本気でこの世界に飛び込む方でしたらどうぞご連絡を。

4. 本の紹介

「にせもの美術史」 朝日文庫 ¥940

1999年4月に発行された本書は「メトロポリタン美術館長と贋作者たちの頭脳戦」と副題が付き、数々のエピソードは楽しくスリリングです。


「古今東西陶磁器修理うけおいます」 中央公論新社 甲斐美都里 著 \1,600

日本と西洋のの陶磁器修理の概念の違いなど、修理を志す人への指南書。古美術品にかかわる人が増える事は良いことです。

 

 


No.07 (2002/04)
1. オークションニュース

★ 「唐三彩盤」落札されました。

前回2002年3月号のオークションニュースでご紹介した「唐三彩盤」は$88,000(\1200万)の高値が、クリスティズニューヨークの結果です。今回銅器を含めて多数の出光美術館収蔵品が放出出品されましたが盛況の中、ほとんどの品が高値で落札。今後益々、中国美術良品の日本流出の加速が始まるでしょう。

2. 鑑定依頼

最近中国との仕事上の付合いで入手したとの中国古美術品鑑定・買取依頼が多くなりました。ほとんど偽物。本物でも極めてクオリティーの悪い品で困ったものです。今は良品が簡単に入手できるほど安易な中国ではありません。お気をつけ下さい。

3. 台湾故宮博物院

4月30日まで。
中国本土博物館からの名品を集め、「唐代文物展」が開催。
併せて、鴻禧博物館では「楊貴妃的唐人世界」を開催中です。

 

No.06 (2002/03)
1. オークションニュース

★ 2002年オークションの始まり

昨年9月ニューヨークのテロ事件により1ヶ月遅れで開催されたサザビーズ・クリスティーズ。半年ぶりに3月20日〜開催。サザビーズは唐加彩胡人駱駝俑。クリスティーズは宋・定窯洗が目玉品。5月-香港、6月-ロンドンと続きます。

★ 厳しい私設美術館の状況

1992年ロンドンサザビーズで私が出品した唐三彩盤は、日本円約1100万円で売れ、その品は出光美術館に納入され、「平凡社版 中国の陶器3 三彩」 P.50にも所載。
そして、今回ニューヨーククリスティーズにその品が売りに出されました(写真参照)。
当時対で購めた同手一枚が、” CS-033 三彩盤 ”で、今も私が所蔵しています。
香港の徐展堂美術館の名品もオークション等で散逸。長引く不況で始めに処分されるのが「美術品」。これも宿命です。


エスティメイトは$15,000〜$20,000。私所蔵の品はお安くお譲りできますのでお問い合わせください。

 

★ オークション参加はいかがですか?

来る6月ロンドンクリスティーズオークションに数点出品します。10万円1口での参加募集します。売れた場合は一割配当。売れずの時も5分配当と考えています。オークションに興味を持っていただく機会になればと。詳しいことはご連絡下さい。

2. 本の紹介


『人が見たら蛙に化れ』   村田喜代子 著 / 朝日新聞社刊

2001年屈指のエンターテイメント小説といわれる。骨董との出会い、人を狂わせてこそ美なのだという思いで書かれた骨董界に生きる人間模様と美の幻の世界。是非一読を。


No.05 (2002/01)

1. 台湾にて

★ 国父記念館 「保利芸術博物館積品展」 〜3/22まで開催

乾隆帝の命により郎世寧設計の円明園の噴水周囲に置かれていた12支のブロンズ像は、1860年「英・仏軍」による収奪で世界に散り、現在7個の所在が明確。

2000年、牛・猿・虎の3点が相次ぎ香港オークションに出品。返還求める香港での抗議デモは世界的話題となりましたが、猿首が740萬・牛首が700萬・牛首が1400萬(香港ドル)で中国北京の保利集団が落札。 その3点が飾られ話題を呼んでいます。

重要文物をオークションで積極的に収集中の保利集団。近年山東省出土の石仏35件、近年発掘の青銅器を80件も併せて展示中。

両国の美術品交流は盛んに行われているのが嬉しいことです。
※保利集団はケ小平の娘婿が社長の政府系企業。

〜2月17まで歴史博物館で開催中の「楚文化展」と合わせてご覧下さい。

2. オークションニュース

★ 2001年中国古美術オークション

高額品10点(書画は除く)は約1億2千万〜10億円まで。最高価の西周時代青銅器は日本コレクターが出品。ヴィトンの社長が落札して話題になりました。

今年はどんな優品が、そして高値が・・・。
話題を提供してくれる別世界、オークションが楽しみです。

3. 「骨董ハンター南方見聞録」

★ 講談社発行 \ 1,800

アジアを股に30年間骨董を探し続けた男は大阪の古美術商。驚きの体験談。一気に読ませる面白さです。中国陶器発見の数々が散りばめられています。


No.04 (2001/12)

1. オークションニュース

★ サザビーズ・クリスティーズ

10月に開催された香港でのサザビーズは乾隆年製「青花龍文瓶」がHK$12,694,750(日本円1億9000万円余)、乾隆年製「彷漆萬花天球瓶」」がHK$10,824,750(日本円1億6000万円余)。他清朝官窯は日本円1000万円以上は16点余落札。清朝官窯の上昇値は驚くばかり。

心配されたテロ事件後の11月ニューヨーク開催西洋中古絵画も大盛況。
先が見えない今の世の中、株券・債権の購入資金が美術品に回っている様子。株券では手元に置いて眺めても楽しくないでしょうから。

2. 台湾にて

★ 台湾国立歴史博物館 「屈原故郷―楚文化」展 〜2002年2月17日まで。

湖南省博物館からの銅・漆製品など逸品の数々が出展。特に漆器は必見の品々です。

★台北 ” 故宮博物院 ”、” 鴻喜美術館 ”では、中国美術の至宝が鑑られます。僅か3時間のフライトです。是非お出かけください。


No.03 (2001/11)

1. オークションニュース

★ サザビーズ・クリスティーズ

一ヶ月遅れで開催されたニューヨークは心配されたほどの影響は無く、サザビーズでは鼻煙壷が1500万、2000万、2500万余と高額で落札。 クリスティーズの「背もたれ椅子」も5000万余。古代陶磁器を主としたフォークコレクションの総売上げも7億5千万余と好成績で終了。荒んだこの世、美術が人々の心を慰めてくれることでしょう。

★ 中国国内オークション

11月3日天津オークション、
11月4〜5日 4嘉徳オークションが北京で、
11月14〜15日敬華オークションが上海で開催。
法律により古代物の出品は無いのが寂しいですが、オークション参加するのも一興です。

2. 秋の夜長読書をどうぞ。

※ 「愛ある眼」 ◎谷川徹三著 /淡交社

詩人谷川俊太郎氏の父谷川徹三は哲学者として著名でしたが、古美術をこよなく愛した人でした。生涯自らの眼で選び取った愛すべき品を身の回りに置き、人生豊かに送った人でもあります。生の証といわれる数々の中国古玉も宋赤絵も・・・。巨人のもう一つの眼を覗いて見て下さい。とても参考になる一書です。

※ 「ニセモノ師たち」 ◎中島誠之助著 /講談社

テレビ「なんでも鑑定団」の中島氏が書く、本音と建前の微妙なからみの世界。氏の話術と同様、楽しく読ませます。

※ 「古地図に魅せられた男」 ◎文春文庫

地図の魅力とコレクターの犯罪小史。地図に魅せられた人々の刺激的な話が一杯です。


No.02 (2001/10)

1. オークションニュース

★ サザビーズ・クリスティーズ

ニューヨークでは9月開催の両オークションはテロ事件の為、10月に延期。
クリスティーズ出品の明中期「黄花梨折畳み背もたれ椅子」がエステイメイト$300,000〜$500,000(3,600万円〜6,000万円) の高値。
明・清朝高級家具に使われた黄花梨は海南島に自生していたほとんどが清朝初頭までに切り出され、近年高騰。中国家具のシンプル・重厚さは美を見出すに敏なアメリカ人の評価により今千万円単位の家具は珍しくなくなっている。
上海博物館には家具展示ブースが有り、黄花梨・紫檀など中国家具の素晴らしさが認識できます。
サザビーズ出品の目玉は「唐三彩水注」 。初出の形でエステイメイト$80,000〜$90,000(9,600万円〜1億80万)。このような状況での高額品はいかに?

2. 紅衛兵押収美術品の行方?

近年出版が続く中国市民の書籍に書かれる文化大革命時代、紅衛兵による膨大な略奪美術品はその後中央政府の命令により返還指示。しかし返還された品は極めて僅か(重要品は美術館に没収もあり)でほとんどの品は行方不明。追跡本が出ればさぞドラマチックな物語となることでしょうが・・・。

3. ニューヨークテロによる美術品消失。

貿易センタービル内企業に展示されていた相当数の古美術も消失。
バーミヤン大仏爆破に続くタリバンの暴挙は許しがたく、人災による美術品損失は悔やまれる。文化大革命時の全土にわたる破壊同様残念なこと。


No.01 (2001/09)

1. オークションニュース

★ 上海敬華オークション

さる6月21日上海にて開催。 上海文物商店収蔵出品で前評判の陶磁器では永楽花枝紋八方燭台は968萬元。乾隆青花逢紋牛頭尊一対は187萬元。康熙、エン脂紅釉杯一対は90,2萬元をはじめ、佛牛彫田黄印章165萬元と他工芸品も高額落札が相次いだ。

今年も中国のGDP成長率は7,5%の引き続き高度成長を遂げる見通しで従来の香港・台湾コレクターに加え、大陸地方都市の新興コレクターが多数落札した模様。中国美術品本土還流は始まっている。

2. 上海へ行きましょう

★ 上海博物館 西蔵文物珍蔵展 〜10月31日まで

チベットポタラ宮。西蔵博物館収蔵の宗教的文物。日常生活用具130点余展示。
陶磁器では明初の執壷、僧帽壷が4点、高足杯4点が鑑られます。

3. 菩薩立像、中国返還

信楽町のMIHO美術館が1999年英国美術商より購入の北魏時代石彫菩薩立像は1994年山東省文物局からの盗難品とわかり2007年まで展示後、中国帰還と決定。