腹ばいになった獣の上に背の高い鳥が立つ。二羽の長い鳥の首の間に太鼓を吊り下げる。総体に黒漆を塗り、金と朱漆で瑞雲文・渦文等を描いている。
鳥は首・体部・両脚を別々に作り臍を臍穴に差し込んで組み立てるようになっている。太鼓は薄木で形成し、皮を貼り、朱漆で双鳳凰が描かれる。虎座鳥架懸鼓は鎮墓獣と並んで楚文化を代表するもので、戦国時代の楚墓からしばしば発見されているが、いずれも不安定な構造で作りも粗雑な作品が多い。やはり墓に納めるために作られたものであろう。珍しく本品は極めて保存状態が良い。
参照本:漆で描かれた神秘の世界ー中国古代漆器展 、剣舞楚天 |