蓋を鳳首に、把手を龍の姿に作ったいわゆる鳳首瓶。唐代の「胡瓶」にあたる。もともとササン朝ペルシャに流行した銀の水差しの器形とされており、この瓶の器面全体を飾る様々の文様もそれらしく異国風。とりわけ胴部中央の連珠文を巡らした円形の中に、伎楽力士を浮彫風に表した文様。また腰の華麗な宝珠文など見事であり、口頸部と裾を飾る大振りの連珠文も華やかさを加えている。
頸や裾に彫り付けられた蓮弁文やその上に貼り付けてある小パルメットなどは、6〜7世紀頃の青磁にしばしば見られるものであり、把手を龍の形に作ることもすでに越磁に先例がある。青緑色を帯びた透明釉が掛かり、釉溜まりはオリーブ色を帯びている。鳳凰の一部に鉄釉を施している。北方窯の産と考えられる。いかにも北斉・隋時代の陶工たちが目指した西方の銀器へのあこがれを感じさせる佳品。北京故宮博物院蔵品が有名。
参照本 : 世界陶磁全集J 隋・唐 |