龍泉窯。
俗に言う天龍寺青磁で深い緑色に発色している。厚手に作られ、牡丹唐草文を胴と蓋全面に巡らしている、地を浅く彫り窪め牡丹唐草文を彫り出しており、彫跡は急で鋭さが目立ち刃先を斜めに用いている。浮牡丹といわれる貼花より生き生きとしている。
元時代になると文様による装飾を前面に出した新たな作風の青磁が登場し、著しく大型の器物が多数見られるようになる。南宋末〜元・明初にかけては成形・焼造の技術が進んだ為、巨大な花瓶・大香炉・60cmに余る大皿といったものを作るようになった。形状は酒会壷と呼ばれる壷で、酒会の名称は平安期の有識故実書に見え、室町時代には書院飾書の中でも酒会あるいは酒海の名が見える。文字通り酒を入れ、杓で汲み出す使い方がされ、日本の茶の湯では、水差として用いられることが多い。元様式らしい量感たっぷりの質実雄揮な形をなしている。
高台は厚く、底を打ち抜いて孔をあけ、ここに別に共土で調製した皿状の栓を入れて釉でくっつけている。龍泉窯に限ってこの手の込んだ成形が何故行われたのか定かでない(青花酒会壷には見られない)
酒会壷は「青磁縞文壷」が横浜市称名寺から出土し、重要文化財として知られる。(称名寺には青磁貼花牡丹文大瓶の一対も伝来している。)
参照 : CC-116 |