耀州窯。
口の締まった園筒形の花瓶で上方と下方とが少し締まり、肩が少し角張り、姿が誠に美しい。肩から下方に蓮弁文様、中央部には牡丹唐草文様、下方には鎬文様を三段に別けて片切彫りで刻している。輪郭の外を浅く斜めに彫って文様を浮き上がらせており、オリーブグリーンの青磁釉の濃淡による階調を生じ、深み有る美しい釉調を生んでいる。文様の配置・彫花の技法共に熟練を極め、耀州窯の優秀作でありかつ瓶類は稀少。
形式は梅瓶に由来するかとも推測するが、北宋時代には類をみず宋初に越州窯から分派したと推測され、創作に意欲を燃やす北方青磁窯の目新しい所産であったかもしれない(華北の北宋初期の墓葬副葬品には、耀州窯系青磁と越州窯青磁が共伴していることが多い)。やや古格が認められ11世紀の作品であろう。
全体に大小の気泡が散在し、つややかな釉肌を一層魅力的なものとしている。我国では比種耀州窯瓶の代表作として広田不孤斎氏寄贈 大和文華館の品が知られる。
香港著名収蔵家旧蔵品。 |