龍泉窯。
厚く掛けられた青磁釉は、気品に溢れる澄んだ青色を呈している。貫入といわれる釉薬のひび割れが一面に生じており、部分的に白く輝く細かい貫入が生じている。官窯ばかりでなく、龍泉窯の一部の窯でもこのような貫入が入る品は焼かれていたことが明らかとなり、産地の決定などが難しくなっているのが現状。3点の針目跡で支え焼成しているが、胎土は支土であって、本来の胎土は明確でない。
この小皿形状の品は文房筆洗と考えられており、如窯・官窯に見られる。11世紀以降、20世紀初めまでの中国では士大夫の列に加わることが人として最高の理想であり続け、嗜みとしての文房具には良品が求められたわけで、そのような要求に応えた品であろう。
中国の文房具には、中国の高い文人の魂が宿っていて、文化とはいかに根底の深い風流精神のみなぎるものかということを知らせるものである。 |