越州窯。
五代から北宋のころ、越窯のいわゆる秘色青磁技法は完璧な段階に達した。青磁の釉調は深みをおび、しかも細やかな味わいをもつ優れた作品となった
。
この碗は胴が丸く湾曲しており、内面見込みには龍涛文を彫りつけている。口縁一杯に刻された龍は、今にも海中から飛び出しそうな勢いであり、海面には波がわき立っている。構図はしっかりとして、洗練された線によって躍動感ある文様になっている。
高台内は小長円形の土目跡となり総釉の上手品。この手の越州 窯碗は3頭の龍が表された径27.7cmの大鉢。メトロポリタン美術館蔵品が名品として知られる。
「茶経」のなかで「刑州窯の白磁を銀に譬えれば、越窯の青磁は玉に似ている。また刑州窯の白碗を雪とすれば越窯の青磁は氷である」と書かれている。技に徹した人間にしてはじめて可能な境地を示してくれる。それが
何とも心地よい。 |