鈞窯。
元時代の玉壷春形状に百合口が形成され、堂々とした形姿。全面にかかる紫紅釉は複雑な諧調とする色合い。百合口内面は明るい天藍釉で色の対比が美しい。
両側には花弁を表現するであろう2筋の線刻が施されている。底裏は「五」の印銘が中央に彫り付けられ、水盤・花盆などに彫られた品が知られ、宮廷用の上作といわれ市場価も高い品であるが、瓶では初見。
土は粘性の茶褐色。中国では色の呼名も多種つけられるが、本品は海堂紅とも言われる最高級色。
上海博物館蔵の有名な「澱青釉尊」は台脚の内壁に器物の大きさを示す「五」の字が刻まれている。
(数字は、「「一」から「十」 まで有る。)
鈞窯独特の「蚯蚓走泥紋」という蚯蚓が泥を曲行するような貫入も見られ、華やかな鈞窯の遺例。
宋を南方へ追いやった金は強力な軍事力をもって領土を広げ、蒙古に滅ぼされるまでの100年間、東北と華北にまたがる広大な土地を支配した。
香港著名収蔵家旧蔵品。 |