康煕時期に現れる新趣向の単色釉の中でも、桃花紅は高い評価を受けている。銅の呈色によるが、高温化で不安定な銅の性質に起因して、かえって雅味のある深遠な色調を見せる。一部に見られる緑斑は焼成の按配で現れるもので、全体緑色発色した例もある。底裏は内を浅く刳って、青花で「大清康煕年製」銘を三行書枠無しで記す。太白尊とは胴が太く・底が大きく平らな形の瓶をいい、李白(李太白)が身近に置いた酒瓶からとった名称といわれる。完璧に紅色に発色した品は中国では美人紅と呼び特に好む。欧米での人気は特に高い。囲龍文が暗花で表されている。
桃花紅は還元焔、林檎のような色合いの蘋果緑(アップルグリーン)は酸化焔焼成になるもの。清代の陶磁器は長い中国陶磁製造技術の集大成であり、康煕〜乾隆年間へと精華を開花させた。桃花紅作品は文人が机を飾る文房具としての太白尊・水滴・観音瓶・盒子・水丞がほとんど。
焼成は極めて難しく、かの板谷波山が挑戦し続けたが失敗続きでついに諦めた程。 |