| 轆轤成型された率直な円形皿を未だ柔らかい間に型打ちで捻花形に作り、その口縁部を僅かに刻んで五弁の花形にした皿。素地は白濁気味のものを用い、内側・皿の見込みには赤・緑・気・紫黒の色釉を用いて上絵付けしており、それに対して通常用いられる釉下彩の青花は全く用いられていない。見込中央には菊花形を中心に腹を合わせた双魚を描き、その周囲を型打ちされた五弁の捻花形に添って界線を描き、その間に牡丹文を充填している。菊花は不老長寿、双魚は夫婦和合や子孫繁栄、牡丹は富貴を表す吉祥慶寿の文様。いわゆる南京赤絵の典型的な作例であり、異国情緒たっぷりの色調を示している。「明末清初」と呼ばれる16世紀末〜17世紀末は中国の大きな変革期であって、ヨーロッパ文明の広がりとともに西洋世界と東洋世界の交渉が図られ、本格的な文物の交流が開始された。明文化の拡散・普及・定着していった時期として注目される。 |