宜興窯。
明代末の文人趣味の興隆によって、宜興の茶器は非常に有名となり、時大彬をはじめ多くの名工があらわれた。創始は江蘇省太湖の金沙寺の僧が手作りし焼造したことに始まるとされる。
太湖の西岸に位置する宜興郊外に紫泥の胎土の良品ができることにより興隆した。
底に「子治」の釘彫銘が有り、嘉慶〜道光に活躍した有名な作家。明〜清〜現代にと、陶工の名が多数伝わっていることは中国では他に類例が無く、宜興窯独特。流石に水切れも素晴らしい、水平壷。
漆黒茶色が落着いた重厚感を与えており、又使い易い。宜興窯は朱泥を主とするが、烏泥・紫泥・梨皮泥・白泥などがあり、我国の煎茶家はこれを倶輪珠と称し、又諸名手の作ったものは煎茶流行の時代においては一壷が数万また数十万金に値したことは人の良く知るところ。現在では最も台湾において茶葉同様高価な取引が盛ん。宜興の茶壷は茶の香りと湿度を良く保つことが出来、長時間にわたって使えば表面に光沢が出てきて、それは玉器を玩ぶ人たちの手沢によって玉が潤ってくるのと同様で、茶壷の収集者もこの種の光沢を喜ぶ。
参照 : CQ-015 |