大きく4区に分けた中央部前後には象に乗った武人が威嚇する虎を双剣をもって退治する様が写実的に、上段には略化した蝉文、下段には雲気文を白・赤・空色の顔料を用いて描く。左右には型抜きの薄板を貼り付けて鋪首と雲気文が三段に描かれる。青銅器のホウをそのまま写した形は製作が難しいからか、あまり多く見ない。銅板と違って、粘土板は接合の過程でカーブの違いが生じやすいから。彩画が美しく残り、稀に見る保存の良さに驚かされる。前漢から後漢に至るまで明器として副葬されたもので、漆器の模器として造られたものであろう。雲気とは神々や仙人が棲む天上界の流雲で、瑞祥の意味がある。
参照 : 世界陶磁全集I 中国古代 |