CJ-152 緑釉白地黒掻落牡丹唐草文吐露瓶
時代: 北宋時代  、 サイズ: 高さ 19cm×胴径 16cm
価格: \
磁州窯。
白地黒掻落の技法に緑釉をかけた梅瓶の下方部を切り落とした形状の吐露瓶。
牡丹花・下部の花弁文帯・肩部の唐草文には櫛目を施す。緑釉白地黒掻落の作品はかって極めて稀少であり、大阪市立東洋陶磁美術館蔵品「緑釉白地黒掻落牡丹文長頸瓶」は重要文化財。緑釉白地黒掻落瓶・壺など近時華北省の某湿地帯より往時沈没船積荷の相当数が出土し、市場に流れた。磁州窯独特の力強さとおおらかさを感じさせる。

「百花の王」と呼ばれ人々を魅了してきた牡丹は古くから美術工芸品の意匠として表現されてきた。牡丹を「富貴の花」として受容する文化は日本を含む東アジアで共有され、相互に影響を与えあいながら各国各時代に様々な表現が生み出されている。玄宗と楊貴妃が沈香亭で牡丹を眺め、李白が詩を詠じたことは広く知られるし、長安では熱狂的な牡丹鑑賞の流行があった。貴族たちは名花・珍花を集め、かなりの高値が付いて売買される牡丹もあった。当時の牡丹は万人が等しく愛でる花というよりは、まさに富を持つ者の象徴であった。

参照 : CJ-093









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