磁州窯。
宋時代には宮廷・文房・寺廟に花を生けることが一般になるが、それにつれて種々の花器がつくられた。磁州窯は「南有景徳 北有ホウ城」と並び称される、江西省景徳鎮窯とともに、河北省磁県ホウ城鎮を中心とした中国最大の窯場。この種の瓶は唐時代の金属器の長頸瓶から派生したものと思われる。供養具としての花生だったのたろう。整った美しい形の瓶で、堂々とした大振りな形は風格を感じさせる。同形同技法の瓶がいくつか知られるが、それらの中でも大きさ・文様の精緻さなどの点で優れた作例の一つ。類似した技法に黒掻落しではなく鉄絵で文様を表わし、細部に刻文を加えたものもある。河北省磁県観台窯址でこの技法の焼成が確認されている。黒白の配色の明確さもあり、日本で好まれた中国陶磁の代表。
香港収蔵家より10年越の懇情で入手。
類品で緑釉を掛けた作品が大阪市立東洋陶磁美術館蔵であり、重要文化財。
参照 : CJ-084
参照本 : 神品とよばれたやきもの 宋磁展 |