CJ-108 緑釉白地黒掻落牡丹唐草文梅瓶
時代: 北宋時代  、 サイズ: 高さ 35cm×胴径 19cm
価格: \
磁州窯。
裾部と肩部には花弁文、胴面には牡丹唐草文を白地黒掻落で表わす。緑地に黒く牡丹唐草文が浮き立って、魅力的な作品に仕上がり、緑と黒の色調のコントラストはさらに深みを見せる優品。緑釉黒花は磁州窯の器物の中で貴重なもの。類品は大英博物館蔵品が有名。
磁州窯は現在の河北・河南・山西一体に広く分布し、北方で最も大きな民間の窯場であった。宋磁には俗でないことで鑑賞に耐え得る効果が特に重視された。潤いと深みは誇張も派手なこともなく、しかも自ずと気高い境地を示している。この水準の高さは宋代全体の文化・芸術の気風によって育まれたもの。
骨董は言ってみれば古典と同じもので、美しい物だけが長い間の風雪に耐えて生き残るのであるが、このような作品もその一つ。一生の中でこのような共に巡り会えた事は実に幸福なことといえよう。

参照 : CJ-042
参照本 : 美の求道者 安宅英一の眼 - 安宅コレクション平凡社版 中国の陶磁F 磁州窯








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