GK-654 玉虎ゆう
時代: 西周前期(BC11世紀)  、サイズ: 高さ 25cm×横 13cm×奥行 12cm
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虎が後足と尻尾で立ち上がり、前足で人を抱える様子を表わした器。釣手があり「ゆう」の一種。
虎の頭部が蓋で、鹿の立体像がつまみとなる。虎の背中には大きな饕餮面があり、その鼻が象鼻形に延びて虎の尻尾となる。側面にも様々な饕餮や龍が配され、神虎に相応しい風格を見せている。虎の前足で抱えられている人間の像は、ザンバラ髪で背中に怪獣面、腰から足にかけて蛇文が施されている。虎が人を抱きかかえた図像の解釈には、神虎が邪気を食べる辟邪の思想を表わすという見方や、虎が人を守護するという見方がある。
同形状銅製が泉屋博古館、フランス・チェルヌスキー美術館に収蔵されているが本品は青玉製。蓋の他は一塊玉から削り出しであって、驚異の労作である。「一つの作品も無限の歴史を語る」作品といえよう。洛陽玉器収蔵家から数年がかりで入手。

参照本 : 泉屋博古 中国銅器編







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