GK-207 玉剣飾り
時代: 漢時代 、サイズ: 解説内参照
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「荊軻 秦王を刺す」という戦国時代の刺客の話が知られるが、春秋戦国時代には既に非常に鋭利な宝剣が鋳造されるようになり、剣にはめ込む玉の飾りに意趣を凝らしている。このような玉の飾りのある剣は「玉具剣」と称され、戦国時代や漢時代に流行した。漢代の玉の剣飾りには様々な様式があるが、玉剣首・玉剣格・玉剣衛・玉剣泌で一揃いになっている。剣と剣の鞘に付けられた玉の飾りは、剣の華麗さと高貴さを際立たせ美しい玉具剣を身につけることは地位の高さを表わすものであった。漢代の皇帝は、功績のあった大臣や外国の使節によく玉具剣を下賜している。
武器には実用に作られているものもあれば、ただ儀仗あるいは装飾用に作られているものもある。実用の武器は主にその鋭利さを求め、儀仗・装飾用のものはただ外見の美しさを求めるのは古代の武器も同様である。戈・戟・刀にもみな実用と儀仗の区別があった。
玉匠は玉の色の変化を巧みに使っており、長年の愛玩により(熟坑)赤褐色の部分と青黄色の部分と色の対比の面白さが一層効果的に表れている。4個セットで残ることは稀であり、貴重資料。

1. 剣首 (横6cm)
銅柄の先に付ける。裏面には一つの丸い溝が有り、剣柄の先端はこの溝に差し込む。溝の外側に三つの小さな穴が有り、斜めに溝に突き抜けており、剣柄を溝に差し込んでからここから3本の小さな釘を打ち込むと剣首は脱け落ちない。二匹の瑞獣が雲文の中に陽刻。

2 剣格 (横 7cm)
刀剣の柄と刀身の間にはさみ、鍔の役目をする。片面は鬼面、片面は二匹の瑞獣を陽刻。

3 剣衛 (横 3cm×長 11,5cm)
剣鞘の装飾品であって、穴に華帯を通し、剣を下げる為のもの。虎と瑞獣を陽刻。

4 剣泌 (横 7cm)
剣鞘の末端の飾玉。上端の中心に丸い穴があり、その脇に二つの小さな穴があき、これで鞘と接合する。片面は鬼面、片面は腰掛ける人物と駆ける馬が陽刻。

4ヶに表わされる意匠は、類品を見ない稀少図柄。剣衛に紐を通して腰に付ける剣の付け方は中国特有であって、それが西方に伝わりクシャーン朝からギリシャ・ローマの兵士も皆この方法をまねて剣を身につけている。






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