CW-244 白地鉄絵唐子文龍首浄瓶
時代: 唐〜北宋時代 、サイズ:高さ 45cm×横 18cm
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淨瓶は尼僧が常に所持すべき持物、いわゆる「十八物」の一つ。仏教の発祥地インドに生れて仏教と共に中国へと伝えられた。梵語ではクンディカというが、その発音が漢字に移され「君達」「軍持」などと表記される。唐・宋時代には銀・銅・陶瓷など様々な材質の浄瓶が作られ、清水を貯え、あるいは手をすすぐなど仏徒達の生活の中で使用された。肩の注水口は龍首形に作られ、牙も露わに大きく口を開く。胴部には技上に掛ける童子が3人、裾部には芭蕉文が鉄絵で描かれる。浄瓶はその器形のユニークさもあって鑑賞の面から見ても魅力的な作品が少なくない。
定州の静志寺と浄衆院の仏塔跡の地下施設からは白瓷の浄瓶が合わせて20余件出土しているが、このような鉄絵が施された瓶の類例を見ない。童子文は純真無垢な童子の姿や無邪気に遊ぶ情景を通して憂いのない円満な世界が表象され、生活への情愛と喜美なものへの希望が表現されている。
この種の瓶は北宋前期にかなり流行した。龍首浄瓶は朝鮮にも影響を与えており、伝世する高麗青磁の中にも龍首瓶がある。

参照本 : 地下宮殿の遺宝中国美術全集A 陶磁U







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