CW-202 白磁印花天鹿文鉢
時代: 北宋時代 、サイズ:高さ 7.5cm× 口径 24.5cm
価格: \
定窯。
中央見込み部は牡丹花と振り返る臥鹿を、側面は牡丹花の間に2頭の鹿と、口縁下に雷文繋ぎを密に印花する笠形大鉢。
器面を生かした巧みな構成力から、動感に溢れた独特の装飾空間が生れている。定窯は民間の窯場ではあったが、晩唐以来絶えず貢姿の焼造は続けられていた。そうした事実は窯跡の出土資料からもうかがうことができ、龍文や鳳凰文等のように文様の題材から宮廷に向けての製作が推定される例もあれば、「尚食局」「尚薬局」などの刻銘をもつ資料のようにはっきりと官署名が記された例もある。
定窯磁で最もよく見られるのが笠形碗で、この形は宋代に流行し、景徳鎮の青白磁・耀州窯の青磁など様々な品種で製作されている。定窯は唐代に始まり、現代に衰退するまで700年余の活動期間をもつが、その盛期は宋代にあった。とりわけ宋代に製作された秀麗・典雅な刻花・印花文様の白磁は声価が高く、明代宣徳年間には汝窯・官窯・哥窯・鈞窯とともに五大名窯を称えられた。
鹿は古くから長寿の仙獣と知られ、瑞祥の象徴と考えられた。いわゆる天鹿なる霊獣は白鹿を指し、白鹿の出現は天下泰平・国泰民安の象徴と信じられ、吉事の予兆とされた。







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