CW-078 青白磁唐子牡丹文瓶
時代: 北宋時代 、サイズ:高さ 35cm
価格: \
景徳鎮窯。
口頸部は車軸口の梅瓶と呼ばれるそれらの大部分は南宋以後に降るものが多い。この瓶はもう少し古格があり、北宋まで上がると思われる。肩の張りが強くて全体に丸みがあり、文様の彫りも精細である。胴中央部には立姿の3唐子を、空間は蓮花唐草(雲気文)で意匠している。勢いある片切彫は流麗で素晴らしく、文様の凹部に厚く溜まり、美しい青白色となり、中国で影青と呼ばれる釉肌が魅了する。青白磁は時代が降るにつれて器胎は厚手となり、文様を型押ししたもの、貼付やイッチンによったもの、ビーズ珠のような連珠堆線を貼り付けて文様としたものなど施文法にも変化が出てくる。そしてその末に青花白磁、いわゆる染付が現れることになる。碗・皿類においても唐草文が多く唐子文は少ないため喜ばれるが、梅瓶においては特に稀少であり本品のように大きく唐子を施文する類品は少ない。全体に薄造りで軽量。優品である。
近時南京郊外墓で対にて出土であり、これほどの美品が入手できるのも新発掘の賜といえる。我国では立姿の唐子が表される梅瓶は京都法勝寺址出土品が知られる唯一の輸入陶磁(京都国立博物館蔵)。
景徳鎮の青白磁は中国各地に送られると共に海外にも盛んに輸出され、宋代景徳鎮の青白磁生産の活況は、海外への輸出に支えられていたようにさえ見えるほどである。
この梅瓶の形態を模倣したのが古瀬戸の瓶子で、頸部の竹節状の突帯や胴部に箆描で唐草文・菊花文・魚文等の装飾を入れている。しかし器形に鋭さが無くずんぐりとし、文様も著しく省略化されているのは模倣品の持つ宿命といえよう。宋代陶磁こそは古今東西にわたり人類が持つことの出来た最も美しい器物であったといえる。伝世の青白磁があるのは恐らく我国だけと考えられ、奈良の春日神社には獅子(国宝)が、和歌山の速玉神社には小皿がある。

参照 : CW-025CW-013







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