景徳鎮窯。
端反り。12陵の菊型の内面部に片切彫で牡丹花を手慣れた技で表現している。陵の突状線・牡丹文の刻に掛かる釉の陰影濃淡が影青独特の美しさを醸し出している。宋青白磁(影青)の技巧の極点に達したもので、精品と言える。土の腰の弱い定窯では出来ないものであって、影青独特の秘芸を物語り、清らかな釉色は青白磁の魅力である。影青製品にはまま見られる。高台内土見せに墨書き「陳」が残り所有者の名であろう。薄造りである。
牡丹は中国に於いて百花の王として好まれ、その容姿の豊かさ絢爛さから富貴花といわれ、また長安と並称される。古都である洛陽が牡丹の栽培で知られたため洛陽花とも言われる。唐の則天武后の頃に牡丹と言われるようになり、美人の喩えに用いられる。玄宗の頃には宮中に於いて牡丹の鑑賞が盛んになった吉祥花である。
器の口縁や胴に筋目、切込みを付け割り付ける装飾法を輪花装飾と呼ぶが、この装飾が行われ始めるのは隋唐時代になってから。晩唐時代になり再び始まり、五代には更に殷盛する。その曲線が織りなす心地よい律動感は、優雅で安定感の良い調和をもたらしている。
参照 : CW-035 |